ムラカミマコトこぼれ話

弁護士 村上誠のブログです。

2009年11月20日(金)

日本の旅の文化

 呉先生は、日本人は旅好きで、日本という国は、世界で最も「旅の文化」が発達した国だといわれます。

 以下に、呉先生の言葉を引用させていただきます。

 日本人は、旅に出て旅館に泊まれば、必ずその土地の料理をいただいて帰ります。

 これは、その土地の霊力をいただくという発想が根底にあるからです。

 そして、温泉に浸かって「極楽、極楽・・・」という気分に浸る楽しみがあります。

 古来、日本人、特に庶民が旅に出る目的は、お寺や神社に「お参り」することにありました。

 「この世」と「あの世」を行き来することで、心身がリフレッシュされる感覚を味わったのだといわれます。

 こうした「旅の文化」は、どのように形成されていったのでしょうか。

 大多数の日本人は、土地に居着いて田畑を耕し定住生活をする農民でしたから、古代から中世にかけて、旅に出るのは芸能者や商人、職人など、一部の人間に限られていました。

 村人にとって、異境の品々、情報、芸能、技能をもたらしてくれる旅する人々は、珍しいお客さんとして貴重な存在であり、村人は彼らに、その土地でとれた食べ物をお礼として提供していました。

 また、村人は、そうすることによって、異境の神から村に幸せがもたらされると信じていました。

 そのようにして、客人接待という、遠くからの客人を大切にもてなし、元の国へお返しするという習俗が発達したのです。

 また、客人の方も、その土地のものを食べることで、自分の生命が活性化されると信じていました。

 日本の「旅の文化」の原型は、このようにしてできあがったと思われます。

 さらに、近世になって、戦乱に明け暮れた戦国時代が終わり、平和な江戸時代がやってくると、日本の旅の文化はより洗練されたものになりました。

 特に、徳川幕府が大名に反乱を企てさせないように、参勤交代の制度を定めたことにより、江戸と各地を結ぶ陸上交通路として五街道が整備され、街道に二、三里ごとに宿泊施設を備えた宿場が置かれました。

 そして、各地方ごとに特色ある宿場町が発展を遂げていくと、それらを利用して、武士だけでなく、一般庶民も旅に出かけるようになりました。

 当時の庶民が旅をする目的は、主に聖地を巡礼する「お参り」のためでしたが、その途中で旅館に泊まったり、温泉に入ったりすることが、次第に娯楽の一つとされるようになっていったのです。

 しかし、元々庶民はお金をそれ程持っていなかったため、皆が少しずつお金を貯めて旅の費用に充てる「講」という組織が各地に作られるようになりました。

 講は、庶民の信仰が篤かった伊勢神宮や富士山にちなんで、「伊勢講」や「富士講」などと呼ばれました。

 特に、お伊勢参りは、江戸から二ヶ月近くかけての長旅となり、近代以前の庶民にとっては一生の夢とされました。

 江戸時代中期の1705年に伊勢参りに出かけた日本人は362万人という記録が残っていますが、これは当時の人口の約15%に当たるそうです。

 旅館といえば、温泉がつきものですが、日本人が重視するのが「裸の付き合い」です。

 「裸の付き合い」で、お互いに心と心を通い合わせる関係を自然と築いてしまうのが、日本の旅館文化のすごいところでもあります。

 そして、日本人は、旅に出ても、家族や仲間のことを忘れてはおらず、日本ほどお土産文化が発達している国も他にはありません。

 旅先の特産品をお土産として買って帰ることは、江戸時代から現代に至るまでずっと続く、日本ならではの風習です。

 このような話を聴くと、私もさっそく旅に出たくなります。

Posted by murakami at 09時59分

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コメント

うーむ、こんなブログを始めていたとは知らなんだ。
写真などもアップすれば良いのでは。
by 38期、10組

algernon 2009年11月24日 15時51分 [削除]

 コメントとアドバイスをありがとうございます。
 今後ともよろしくお願いします。
      村上 誠

murakami 2009年11月26日 08時51分 [削除]

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